ハムストリングス肉離れのメカニズム

前回は、ハムストリングスの肉離れ後、スポーツ復帰までの過程を話してきました。

なので、今回はなぜ、スプリント中にハムストリングスが肉離れするのかというメカニズムについて話していきたいと思います。

肉離れメカニズムは主に「ストレッチ型」「スプリント型」の2つあります。

【ストレッチ型の肉離れメカニズム】

図のようにストレッチ型の肉離れを起こすkey wordは①床反力 ②骨盤前傾 ③遠心性収縮の3つが挙げられます。

Key word① 床反力

ストレッチ型の肉離れを起こす原因の一つとしてオーバーストライドが挙げられます。その理由は2つ考えられます。まず1つ目として、接地位置が前過ぎると、下の図の赤い矢印の方向に荷重が加わる事で同じ方向、同じ力の床反力(水色の矢印)が返ってきます。その床反力が股関節の前方を通ってしまう事が挙げられます。

これでは、股関節に外的屈曲モーメント(股関節を曲げる力)が働く為、骨盤を前傾(相対的な股関節屈曲)させる力が働いてしまいます。骨盤の前傾を止める為に内的伸展モーメントとしてハムストリングスが遠心性収縮する事で肉離れを起こしてしまうのがストレッチ型です。

外的・内的モーメントについての説明図

床反力に対して関節が後ろにあるのか、前にあるのかにより内的モーメントの大きさや向きに違いが出ます。オーバーストライドは股関節の内的伸展モーメントを誘発し、ハムストリングスが収縮することでその力を発揮しています。

Key word② 骨盤前傾

2つ目のデメリットとして床反力は後ろ方向に伸びている事で、ブレーキとして働いてしまい、パフォーマンス低下に繋がってしまう事です。そして、このブレーキもまたストレッチ型の肉離れを起こす原因になります。電車で例えると下の図のように、進行方向に対して急ブレーキが掛かると慣性の力が起きて身体が前に突っ込んでしまいます。

つまり・・・

床反力による股関節の外的屈曲モーメントと、足部の前面接地のブレーキによる慣性の力がダブルで骨盤を前傾させてハムストリングスへのストレスに繋がっていることになります。

スプリント型の肉離れメカニズム

Key word③ 遠心性収縮

次にスプリント型の肉離れについて見ていきましょう。

走動作中、後ろの足を前に振り出す時に大腿四頭筋(太ももの前)の筋肉を過剰に使うと、拮抗筋であるハムストリングスがbreaking muscle(ブレーキをかける作用)として働く為、膝は伸びているがハムストリングスが収縮している、つまり遠心性収縮が起きています。

言い換えると、走行時に脚を過剰に前に振り出してしまうことで、その脚に対してブレーキをかける際にハムストリングスに強いにストレスがかかり損傷を引き起こします。

この時に肉離れをしてしまうのがスプリント型と言われます。

これらのことを理解して、楽しく部活動を送れるようにしていきましょう。

どんなに秀才な人でも怪我しては意味がないので次はハムストリングスの肉離れ予防について話していきたいと思います。また、万が一肉離れをしてしまった人は「ハムストリングスの肉離れ〜競技復帰まで」を見てください。

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